secondfiddle@人柱日記

ま、パソコンと車とカメラとそれから・・・・・・

八重子のハミング

*若年性アルツハイマーについての一考察

ご無沙汰しております。灼熱感の記事に対してあまりの反響に驚いております。
季節的な要因なのか、普遍的なものなのか分からないことだらけで中々記事になりません。


ま、そう言ってしまえば身も蓋もありませんので、この重苦しい雰囲気を払うべく、ひとまず話題を変えてみようかと。


我がサイが映画を見たいというので、お休みと言うこともあり気分転換を兼ねて、久々に映画を見に出かけたと思いなせえ。
それが伊勢佐木町の横浜ニューテアトルで公開中の「八重子のハミング」
伊勢佐木町に出るのは10年ぶり? なので「彼処にあったお店がなくなった」とか「ドンキが出来た」とか、雨が降っていてもすっかりお上りさん状態。
さて映画の方はと言うと、ま、ご覧になった方はご存じでして、四回の癌を克服した教職員の夫が、若年性アルツハイマーを発症したやはり音楽の先生をしていた妻を、どのようにして献身的に介護してきたか、と言う講演会での話として始まり、日常の出来事を淡々と発表している風にストーリーは進みます。(文章、長ッ)
まず段々と会話が出来なくなり、音楽教師なので音的には反応しますが、最終的にはそれ以外はまるで赤ん坊のようです。
う〜む、身につまされるというか、女優高橋洋子の演技力はまさに本当のアルツハイマーかと思わせるほどの迫真の演技です。
目を離すと外に出たり、6時間おきにトイレに連れて行ったり、食事介助したり、一見すると救いようにないストーリーのように感じますが、大人になった教え子が手を差し伸べたり、娘達が旦那を巻き込んで協力し合って支えたり、喫茶店のママに奥さんを預けて友人とパチンコに行ったりしてつかの間の息抜きをしたり、何より折に触れ心のよりどころとして短歌を詠んだりとか、家族や地域の人たち一丸となって八重子さんを見守ります。(ここも長ッ)
12年という長きにわたり介護していましたが最終的には亡くなる訳なんですけど、我がサイに言わせると「アルツハイマーの方は寝たきりになることが多い」そうです。
我がサイは介護福祉のベテランでして、アルツハイマーの方とか認知症の方とかフツーに接しているので驚くべき事ではないのでしょう。しかし、全く白紙の状態のおいらとしては悲壮感漂う映画でした。認識を新たにしないとならないのでございましょう。
また、最後まで自力で歩くことができていたのは、献身的な介護のたまもの、かもしれません。
現実問題として捉えた場合、もし我がサイがそうなった場合、あるいはおいらがそうなった場合、献身的な介護が出来るのか? それも12年も継続して出来るのか、です。難しい問題です。
地域的な繋がりが希薄になっている都市部において、映画のように地域が支え合って、等と言うように都合良く行かないのは目に見えております。
私たち夫婦には子供がおりません。と言う事は末永くお互い健康的で支え合うしかなりません。
でも最終的には天に召されるわけですし、これからの人生を考えると……お気楽極楽というわけにもいかないでしょうし……。

う〜む、重苦しい雰囲気を吹き飛ばそうと思ったら、さらに重苦しい雰囲気になってしもうた。