secondfiddle@人柱日記

ま、パソコンと車とカメラとそれから・・・・・・

絶望を笑え?

映画 波紋

なんかブログネタがあったと思っていたんですが、思い出せずに幾星霜・・・ようやく思い出したものでここで記事に致します。それが『波紋』。

思い起こせよ6月8日。
我がサイの希望もあってららぽーと横浜に『波紋』と言う映画を見に行きました。
かもめ食堂」や「めがね」「彼らが本気で編むときは」等の作品を発表した荻上直子監督作品です。
メジャーな作品ではありませんが、展開が読めないと申しますか、いつもやらかしてくれるこの監督さん、好きなんだな~。

5月26日封切りというのに、ららぽーと横浜では6月9日には最終と言う何とも短い期間でした。
それに最終日前日は18時開演20時終了という誠にタイトな時間だけ。
このところ、夜にジムニーと共に走ることがなく、帰りは大丈夫かしらん。
しかしまあ、時間のこともあるのでしょうか、お客さん20人いたかいなかったかの閑散とした盛況ぶりでした。

おかげで真ん中中央にどっかりと腰を下ろせましたがな。

内容としては不条理な世界に生きる主婦目線、と申しますか、福島の原発事故から始まって、義父の介護、突然の夫の失踪など日常の生活が崩れていきます。

崩れゆく日常をなんとかしようとして主人公は葛藤しますが、結局、心のよりどころとして得体の知れない水を売る新興宗教にはまっていいきます。
これなんざ、現在の縮図かも。

また失踪していた旦那が十年ぶりに帰ってきて平然と家に入る。
一人息子は九州の大学に入るとかでいなくなる。
枯山水の庭を手入れする。
亀二匹の世話をする。

次から次へとめまぐるしいく展開して全く先が読めない、あっという間の二時間でした。
一つひとつが短編のようでめくるめく時間です。

芸達者の俳優が並び立ち、得体の知れない宗教家にキムラ緑子、その宗教を支援する江口のりこ平岩紙
だからといって宗教主体ではなく、息子の彼女に聾唖俳優津田恵里菜を持ってくるなんざ、混迷を深める狂気の沙汰。
いやいや決して聾唖を愚弄している訳ではありません。今抱えている日本の実情を洗いざらい提供しようという意欲的な作品です。

ひょんな原因から失踪し、十年後癌になったからと言うことでひょっこり戻ってくる身勝手な夫に光石研
主人公をたきつける木野花
ちょいちょい出てくる「卵が一個壊れているから半額にしろ」だの難癖をつける客に柄本明
さらにちょい役「アンタ、カマキリの雄にいている」とかいうムロツヨシ

渋い個性俳優が大杉。よくこの映画に集ったもんだ、と思いました。
監督のなせる技でしょうか。

最後に夫が亡くなり、喪服を着て雨の中フラメンコを踊り狂う主人公がここでようやく解放されます。

男の目線で見るか女の目線で鑑賞するか、で、この映画の評価が分かれるのでは?
なんとなれば「我が得をいたり」とおいらをどつく我がサイ。
吃驚ぽん。

え? 記事が抽象過ぎて訳分からんって?
そらそうでしょう。おいらも訳分かりませんからね。(゚Д゚)


追伸
遅くなり誠に申し訳ありません。
スケロクシリーズ第四話 隻腕の女 その4 最終話『財閥凋落』ようやく上梓しました。
約三ヶ月ぶりですかね。宜しければ御笑味ください。