銀河鉄道の父
映画「銀河鉄道の父」を鑑賞すべく、久々にららぽーと横浜にいて参りました。
一月にもここでドクターコトー診療所を拝見しましたが、その時でもおいらのような田舎モンにとってららぽーと横浜は夢物語、別世界です。
こんな田舎モンですから銀座なんかに行ったら気が狂ってしまうんでないかい?
これを見たかった最大の理由は父親の目を通して宮澤賢治像です。そして役所広司。
昔から役者、役所広司は年齢も近いこともあり妙な親近感を覚えます。
ま、役所広司さんから見ればキモい、と言われそうですがね。
それはともかく一家の大黒柱、宮澤政次郎は頑固一徹のようでいて息子に振り回されながらも長男、賢治を溺愛する父親。
そして繊細な感性な故に、迷い、恐れ、トシの死に気が触れたんじゃないかと思わせる賢治。
頭脳明晰で若くしてなくなるトシ。さらには妹や弟。
父親から見た家族愛に溢れた作品、と感じます。
映画全般を通してみると賢治を一番理解したのが父親である政次郎ではないかと。
何処までが史実なのか分かりませんが、宮澤賢治はどんな人柄だったか、学校で習う宮澤賢治とは違う一面を拝見致しました。
娘と息子を早くから亡くし順番が違うだろう、と思う父親の慟哭。
おいらには息子や娘はおりませんが、疑似体験、と申しますか、政次郎に共感致しました。
年齢設定にはいささかムズいところもありますが、まさに役所広司、うってつけ。
色々彷徨いながらも最終的には農民の心を持った宮澤賢治役の菅田将暉も凄みを感じました。
役どころとはいえ、賢治が乗り移ったんじゃないかい?
二時間の作品ですが、おいらにはあっという間。
この映画では「土を喰らう」や「ドクターコトー診療所」等よりもより一層感情移入ができました。
監督の話ではトシがなくなるシーンは史実に基づいて描いたそうですが、賢治では感情を盛り上げようとした創作だそうです。
そうだろうなあ・・・・・・。
誰よ、結核にタバコが良い、と言いだした方は。
最後のシーンは「銀河鉄道の夜」の尊敬とした家族愛に溢れたメルヘンチックな終わり方でしたが・・・・・・。
おいらとしてはそうなるだろうなと言う予想がありましたので、なんだかつまらない終わり方のように思いました。
じゃ、おめえさん、どんな終わり方が良かったんだよお・・・・・・と問われれば・・・・・・ウ~ン・・・・・・。
全編方言ですがわかりやすかったです。
もっとも明治から大正、昭和初期にかけての時代ですので、その時分の方言のままだったなら、おいら、理解できなかったかも。
宮澤賢治も亡くなってから評価されるというものなんだかな。
もっとも賢治だけでなく死後に評価された方々も多々おりますね。
昔の人は言いました。
「虎は死して皮を留め
人は死して名を残す」