secondfiddle@人柱日記

ま、パソコンと車とカメラとそれから・・・・・・

トランスジェンダーについて

あれこれ弄り倒している一太郎ですが、以前までは倍率を130パーセントにすれば、その状態が維持されておりましたが、今回に限っては初期状態に戻ります。ええい畜生め! と思ってさらに弄くり倒しておりましたら、何のことはない「表示」」-「画面表示設定」で従来の通りの設定が可能になりました。良かった良かった。
これは一重にSecondFiddleの勉強不足であります。反省点でありますな。


さて、まくらはこれくらいにして、荻上直子監督の「彼らが本気で編むときは、」の映画を見て参りました。
映画マニアではないので年間数本しか見ませんが、これは、と思うものを見続けております。
今まで映画鑑賞というと、事前に情報を集めパンフを買い、それなりに内容を把握してから臨むというスタイルですが、監督が「カモメ食堂」や「めがね」荻上直子監督なので今回は一切の情報無しで我がサイと共に見に行きました。
この監督はファンタジーというか現代版おとぎ話というか内容や登場人物がイマイチはっきりしない、つまり感情移入が出来にくい作品という印象です。
で、今回の内容は「トランスジェンダー」。横文字にすると聞こえは良いですが、ずばり性同一性障害。ネット上ではネタバレ話もあるかと思いますので、中味はそちらで確認して頂いて、ここではおいらなりの考え方を……。
荻上直子監督はどのような衝動でこの作品を作ったのか分かりませんが、今回は作中の一人一人が主役です。
登場人物としては、性同一性障害に悩んだ末、女として生きるリンコ、リンコを受け入れる母親フミコ、男と知りながらリンコを愛したマキオ、育児放棄され伯父であるマキオを頼るトモ、トモの母親だけど野放図なヒロミ、トモの友達でやはり悩むカイとその母親ナオミ……本編の主人公はリンコなのでしょうが、いろいろな登場人物がはっきりと描かれております。
つまり劇中では戸惑うナオミとヒロミは敵役。性同一性障害に対して無理解です。
またリンコを愛するフミコやマキオはそれらの障害を乗り越えることが出来る精神性の持ち主。
戸惑うが受け入れようとするトモとカイ。
作中人物の住み分けがはっきりしているのも、いままでにない荻上直子監督の特徴といえましょう。
映画だけの世界なら確実に観客はナオミとフミコを敵対視するかも。しかしおいらとしてはどの登場人物にも共鳴出来ました。
つまり現実問題としてこの様な問題に直面したら、ナオミやフミコを非難することが出来るか? です。


自分の彼女や彼氏が性同一性障害だったら、愛することが出来るか?
自分子供が性同一性障害と分かったとき受け入れる覚悟はあるか?


あるいは


我がサイ、実は男だったら?
このSecondFiddle、実は女だったら?


でもこれが一般認識として現実というものでありましょう。誰が良くて誰が悪いのか、そんな単純な答は出来ません。それほど深いテーマが、この映画にはあります。


さて、もう一つ面白い見方としてこの映画、マキオやカイは別として、その他の男はないがしろにされております。

てか添え物だ。
刺身のつまだ。
ヒロミやナオミの夫は出てこないし、フミコの旦那もなんだかツッコミどころがない。
つまりこの映画は女のバトル、とも見て取れます。
 女性陣……ナオミ、ヒロミ、フミコ、リンコ、トモ
 男性陣……マキオ、カイ

さらに救われるひとつ、食事シーン。今までの荻上直子監督には欠かせない素材、スパイス。随所に出てきます。それもシンプルそのもの。フードコーディネータ飯島奈美の力量でしょう。この方は「めがね」をはじめ荻上直子の映画にはちょいちょいでております。そう言えば「深夜食堂」でも活躍しておりました。
さらに老人ホームにいる役者さん。これもまさに一服の清涼感。

鯉にエサを与えるなと書かれているにも関わらず餌やりをするマキオの母サユリよりも
「絶対に」と追記されているにもかかわらずバンバンエサを放り込む斎藤と呼ばれる痴呆老人男性。

おいらもこの様な痴呆老人に成り果てる?