secondfiddle@人柱日記

ま、パソコンと車とカメラとそれから・・・・・・

SecondFiddle家についての一考察

我が駄犬の独り言

吾が輩はチワワである。名前は特に秘す。どうと言う事もない名前だからである。
ブラックタンにして女である。基本、短毛系であるが、両親のどちらかが長毛系の血を引き継いでいたようで、中途半端な毛並みである。
生まれは福岡だが、幼少のみぎり両親から引き離され神奈川県は相模原にたどり着いた。
比較的広いケージの中で仲間と戯れていたが、吾が輩を見るちょっと草臥れかけた中年の人間男女二人ががこっちを見てなにか言っている。
吾が輩は気にも留めなかったが、男ははしゃぎ女は気乗りしない感じだった。そうこうしているうちに、ケージから出され草臥れた中年男女に交互に抱かれたのであるが、幼かったこともあり、何が何やら分からずなすがままだった。
後で聞いた話であるが、女はその時インフルエンザに罹っていたようで、判断力が鈍っていたようだ。
暫く経った後、中年男女が再び吾が輩の前に立ち、訳の分からぬまま「自動車」なるものに乗せられた。それが今の父ちゃんと母ちゃんの出会いであった。
その後この夫婦にすくすくと育てられ、現在に経っている。居心地が良いのかサッパリ分からぬが、とりあえず世話されている。
我々チワワ族の体重は約三キロ前後である。しかしながら大飯ぐらいの大女に育てられ、今や六キロ超えである。断じてデブチワワではない。デカチワワ、略称デカチーである。
これも吾が輩の両親が丈夫に育つようにという願いからに他ならない。有り難いことだ。
父ちゃんがいつも言っていることの一つに「一頭で二頭分、これはお得」
何のことやら分からぬが何処までも陽気な父ちゃんである。
「行ってくるからな」と父ちゃんから声がかかると、吾が輩の出番だ。母ちゃんに父ちゃんが出かけると呼びに行き、急いで母ちゃんの肩に乗り一緒に見送る。
母ちゃんもよく出来た人で、六キロの吾が輩を「重い」と言いながらも肩に載せてくれる。5キロの米袋を想像してみたまえ。どれだけ吾が輩が重いのか。
しかしながら父ちゃんの肩には乗りたくない。気が引けるのである。何度か父ちゃんは肩に載せようと奮闘するが、吾が輩は固持する。吾が輩にとって一番は父ちゃんであり二番目が母ちゃんである。それ以外にない。
よく豆柴の男の子と間違われる。背格好と言いブラックタンと言い、何しろ大女だからして豆柴に似ている。断じて言うが吾が輩はチワワ種族である。見てみたまえ、大きな両目と大きな立ち耳。豆柴には決して無い特徴がある。父ちゃん母ちゃんは気にしているようだが、吾が輩は一向に気にならない。
散歩は大好きだ。よく言われるのは室内で充分な運動量をこなしているから、我がチワワ種族は室内犬であり散歩に出す必要は無い、と言われるがそんな事はない。チワワ族に限らず散歩大好きである。
外の風に当たり、自然と戯れ、木々の匂いを嗅ぎ、そこかしこから仲間の情報を嗅ぎ出し、最高である。
チワワ族は南方系の血を受け継いでおるので、真夏でも日光浴はこの上ない至福のひとときである。但しこれは家でのベランダでの話である。
真夏の散歩駄目だ。吾が輩のチワワ族は南方系の血を継いでいるとは言え、高温多湿の日本の夏はどうも馴染めん。アスファルト肉球が焼かれ、水分も補給せねばならず、夏場の散歩は吾が輩にとっては難行苦行の他でもない。夏場は父ちゃん母ちゃんに早朝の散歩をお願いしている。
吾が輩は臆病である。
吾が輩の住んでいる場所は袋小路になっており、宅配の車は決まってバックから入ってくる。吾が輩はバックする際のブザー音がきらいである。何か訳の分からぬ不穏な音を出すのでコワイ。これは母ちゃんにしらせねばならん。大声で吠え、危険を知らせるのである。しかしながら母ちゃんは平然としている。この非常時になんと言うことか。
さらに行き交う散歩する犬、塀を乗り越えてやってくる野良猫、宅配業者、全てに吠える。
臆病である一方、世話をされている恩義のためにも父ちゃん母ちゃんを守る義務がある。だから吾が輩は吠えまくるのである。
この家に来て8年は経とうとしている。これから先どんな犬生を送るか分からぬが、精一杯愛され、父ちゃん母ちゃんを守っていこうと思う。
それが吾が輩に課せられた義務だからだ。